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それでは Kさん、スピーチをお願いします。
「・・・・・・・」「あらぁー 何を話したらいいかしらー?」
なんでもいいですよ。
「うちの嫁はとても気立てがよくて、この前も箱根に一緒にいったら....
温泉に入りすぎて....湯あたりして...そうそう その旅館...料理がおいしくて....」途切れず。
チーーン。時間です。
「あらぁー わたし何をはなしたのかしら?.....ははは」
では次にJさん。
「・・・・・」「お・おかぁーさんにオレは迷惑ばかりかけて....お・おかぁーさん、倒れて・・・」
涙ぐみながら....「オレはばちがあたってぇーーー」皆も涙ぐむ
それでは最後 Sさん
「妹はわたしを憎んでいます。わたしがいるために、人生を棒に振ったというんです。
今日もどこに遊びにいくんだぁーっていって....わたし...どうしたらいいでしょう 先生!」
そ・それは・・・・ とぼくは口ごもる。
3年前、世田谷のヒューマンハーバーという所で高齢身体障害者にスピーチを教えていたときの風景。
ぼくにとってこんなに勉強になったことはない。PREP、話の構成、時間管理、Q&A 全部使えず。
でも皆さん一生懸命に話してくれた。
でも、なんか暗くなっていくのだ。スピーチの練習どころではない。人生の重みをずっしりと背負って
長い坂を歩き続ける..,笑顔を忘れかけたひとたち。
ぼくはスピーチを教えるのをやめた。
「笑う練習」を始めた。まず発声練習をしましょう! 息をすってぇ はいてぇー。吐くときに「あ」
を息に乗っけましょう。あーーーーーー。では次に「は」。はーーーーーー。これを短く。はははは。
顔を笑う顔にしてぇー! はははは。ひひひひ。ふふふふ。へへへへ。ほほほほ。
みんなわらってきた。笑わないと「くすぐりまぁーす!」
くちゅくちゅくちゅと声だけ。きゃぁー。はははは。
わぁー みんないい笑顔。褒める。褒めちぎる。「笑ってる顔、みんな美人ですねぇ!」嬉しそう。
それでは「おおかみだぁー食べちゃうぞー」の練習をします。
前の人に向かって一斉に!「おおかみだぁー たべちゃうぞぉー」 Jさん、迫力ないよ!
それじゃまるで豚だよ.....はははは 爆笑。
1時間。笑い転げる。すし屋ごっこ。落語。土俵入り体操。いろんなゲームをしながら笑う。
みんなの顔が生き生きしてきた。
帰り際、「先生、こんなに笑ったのは久しぶり....しあわせ」
人は笑うから しあわせなのだ。
しあわせだから 笑うのではない。
(ウィリアム ジェイムス)
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