|
40代後半、ラジオ短波の夜間社会人対象「アナウンサー塾」に通った。プロのアナウンサーを目指した
わけではない。基本的な話し方を学びたい人なら誰でもOKという宣伝文句につられたのだ。
ぼくは第一期生。基礎的な発声から天気予報の放送まで練習。名物ディレクターや現職アナウンサーが
直接教えてくれる。良心的でためになる講座だった。プログラムの中で、面白く楽しみにしていたクラスが
あった。有名アナウンサーやパーソナリティがきて苦労話やアナウンサーになるためのアドバイスを
してくれるのだ。
或る時「大沢悠里」さんが来てくれた。TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」をもっている
超多忙のパーソナリティ。1941年浅草生まれ。ぼくも1944年、下町で育ったので親近感をもった。
彼の話は面白く、そして刺激的だった。話を聞いたあと、なにかやる気が体から漲ってくる気がした。
今でもタクシーに乗ると運ちゃんが「ゆうゆうワイド」をかけている時がある。
ちょっと間延びした大沢さんの声を聞くとその時の感激が懐かしくよみがえる。
大沢さんの話をかいつまんで書くとこんなことを言っていた。
「仕事が好きで、好きでたまらない。毎朝4時か5時ごろに起きて、新聞7−8紙に目を通す。
午後はラジオで話しっぱなし。それが楽しい。小さい頃からアナウンサーに憧れていた。
だから早稲田に入った。放送研究会には久米宏とか、すごい奴らがきら星のように輝いていた。
小学生のときから話は上手く、みなの人気ものだった。廊下にでて先生が教室にくるまでの
実況放送をして、皆を笑わせていた。マイクはセルロイドの筆箱。芽は小学校の頃にある、と思う」
なるほど。ぼくはうなった。小学校の頃から「好きで、得意なこと」を見つければ人生後半、
生き方のヒントになるかも知れないな。そう思って、50を前にして「たな卸し」をしてみた。
好きで、得意なこと
| 1 |
物まね |
歌舞伎や寄席が好きなお袋に連れられてよく通った。帰ってくるとすぐにものまね。
得意はちゃんばら。悪人を倒して見得を切る。「待ってました! 音羽屋!」と大向こう。
寄席のときは、「えー まいど、ばかばかしいお笑いを...」と一席。
|
| 2 |
読書 |
読むと空想の世界へ。飯を食う間も惜しかった。早食いと速読はこれで鍛えられた。
マンガは冒険王、剣豪や柔道もの。講談社の三銃士、紅はこべ、クオレ物語、愛の一家、
シャーロックホームズ、霧隠才蔵。特に「クオレ物語」には心酔。作文も得意。
先生がゲラゲラ笑って二重丸くれた。(空想でウソ書いたからね)
|
| 3 |
演説 |
4年の時に、投票で学級委員に選ばれた。嬉しかった。選挙前にした演説は今でも
よく覚えている。グループディスカッションの司会や模造紙をつかった発表は御手の物。
|
| 4 |
図画 |
絵だけは成績がよかった。6年間すべて優。人の顔を良く描いた。だから似顔絵が好き。
話がつまらないとノートを取るふりして、そいつの似顔絵を描く癖は今も変らない。
|
たな卸しの結果
さーて、「物まね、読書、演説、図画」が得意なのはわかったが、どうするべぇ。
なんか全体に繋がりがないんだよね。脈絡がない。歌舞伎役者か噺家の真似をして
読書と演説をする。その後ディスカッション。結果を似顔絵とともに模造紙にまとめて発表。
こうゆう流れの職業があると「ぴったし」なんだけどな。ないよな。まっいいか。
とおもっていたら、その職業、ありましたね。今のT&T研修。大筋は外れていません。
「芽は小学校の頃にある」 正しいです。
|