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31歳のとき、ミキモトから米国の葉煙草会社に転職。20年間近く、楽しく勤めあげたので、
転職は成功だったと思います。よく「転職のコツ」について聞かれるので、ちょっと書いてみました。

「30歳くらいになって、仕事はおもしろくないし、収入もそれほど期待できないという状況で、
転職の機会に恵まれたとします。もし私がそのような立場に立たされたら、積極的に転職するでしょうね。
やっている仕事が自分に合わない、お金も貯まらない、社会的地位も望めないと思ったら、
すぐに方向転換します。何よりたいせつなのは、『いつがチャンスか』『何がチャンスか』を
見きわめることです。『いつかくるだろう...』と空想しているだけでは、実現するはずがありません。
『チャンスは前髪でつかめ』というように、ふだんから『手がかり』を自分で作る努力をしておかないと、
新しいチャンスをつかまえることはできないでしょう」

これは、お金の神様、邱永漢さんの言葉。チャンスの神様は前髪に毛が三本。後はハゲ。
前をさっと通 りすぎる。つかめるかどうかが鍵。9年目に入っていたミキモトでは、係長になっていました。
仕事は 面白かった。社風もいいし、上司にも恵まれていた。が、「自分はサラリーマンに向かない」と
思い始めていました。麻雀、ゴルフ、酒、すべてダメ。派閥や、先輩後輩関係に疎い。
1人で出来るコンサル タントみたいな仕事に変わろうかなと思っていた矢先、チャンスがきました。
顧客の1人、田端さんか ら米国企業の在日代表にならないかという話が持ち込まれたのです。
嬉しかったですね。 ミキモト入社後、上智大学で開いていた夜間社会人英語講座に通いスピーチや
経営、国際関係などを 学んでいました。これがよかった。話が来た時、つくづくそう思いました。
邱永漢さんがいう「ふだん から『手がかり』を自分で作る努力をしておくこと」をやっていたからかも
知れません。いつか、幸運 の女神は必ず目の前を通り過ぎていきます。前は毛が3本、後はハゲ。

少にして学べば壮にして為すあり
壮にして学べば老にして衰えず
老いて学べば死して朽ちず
(佐藤一斎)

2008年


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