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仮令い議論をすればとて面白い議論のみをして、例えば赤穂義士の問題が
出て、義士は果たして義士なるか不義士なるかと議論が始まる。
スルト私はどちらでもよろしい、義不義、口の先で自由自在、君が義士と
云えば僕は不義士にする、君が不義士と云えば僕は義士にしてみせよう、
サァ来い、幾度来ても苦しくないと云て、敵に為り味方に為り、
散々論じて勝たり負けたりするのが面白いと云う位な、毒のない議論は
毎度大声で遣て居たが、本当に顔を赧らめて如何あっても是非を分かって
了わなければならぬと云う実の入た議論をしたことは決してない。
(福翁自伝より抜粋)
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